巨大建造物運搬目的の為の3次元計測

2022/3/31

  • 3Dモデリング
  • 調査・解析

・2018年の夏、とある海際の街の山の頂上に風力発電用の巨大風車を設置する計画でした。
近くの港から、市街地を経由し、山上へのくねくね道を全長50mにも及ぶ部品を輸送するのですから正気の沙汰ではありません。。。重さも数十トン以上。。。 怖すぎます。。。。
それにしてもこの計画の責任者や、工事に携わる人の重責は想像を超えるものだと思われます。
本当にこんなデカいものが街中を通れるのか?道路まで改造して万が一通りませんでした。では済まないのですから。
そんな背景があって、弊社の3次元計測を使ってこの難題を解決しましょう。という流れでした。
まずは、難所となる場所を3次元計測。合計4か所のチェックポイントを撮影しました。
計測時間は、1台のスキャナーで2日間。 1か所あたり半日の計測でした。
写真は4か所のうちの1か所を紹介したものです。
その後、合計3本のソフトウエアを使用して、点群を合成、ノイズを除去し、地形データを3DポリゴンにしてCADにインポート。そこに実際に通過する車両を3Dモデリングして配置。移動導線の軌跡図を作成。
各場所ごとに、車輪の設置状況、車両のねじれ、全方向の干渉物の有無を確認しました。

結果として、車両を通すことは不可能ではないが、道路や、山、人工設置物を改造するコストが非常に嵩むことがわかり、このルートを使っての運搬は無くなりました。
1名で2日の計測と、データ処理及び、検証にかかるコストは掛かりましたが、大事なのは、それを成すためにかかる費用の算出や、実行可能かを判断出来うる決定的な根拠を示す事が出来たという事です。
施工業者だけでなく、計画者も、投資者も全てが納得して判断を下せたのではないでしょうか。
無理な計画をして無駄に自然を破壊することもなく、違う道を選択出来ることに貢献出来たのではないかと感じました。
※写真及びデータの使用は、関係者の許可を頂いております。